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2024.1.26

遺言書の種類と作成にかかる費用について

遺言書には「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」などの種類があります。
「自筆証書遺言」「公正証書遺言」のそれぞれの遺言書作成にかかる費用について解説いたします。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、全文(財産目録を除く)を自筆で書き上げる遺言書のことを言います。
こちらは代筆が認められていません。必ず遺言者自身が書く必要があります。

自筆証書遺言の作成には、お金はかかりません。
ただし、法務局が遺言書の原本を保管してくれる「遺言書保管制度」を利用する場合は、1件3900円の手数料がかかります。

自筆証書遺言のメリットは、ご自身で書くことができ、気軽に何度でも書き直すことが可能です。
また、その内容を第三者に秘密にしておくこともできます。

ただし、遺言書は法律で厳格にその書き方が定められています。
少しでもルールに則っていないと無効となり、無意味な書類になってしまいます。


文言についても曖昧でない正確な文言を使用しなければならず、注意を払わなければいけません。そのため、自筆証書遺言を書く際は遺言書や相続の法律に関する正確な知識が必要です。

 

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場という役所で2人以上の証人立会いのもと、公証役場に所属する公証人という専門家と相談しながら遺言を作成する方法です。
公正証書遺言は作成に公証人と証人が関わっているので、遺言が形式や文言の不備で無効になったり、偽造されたりする可能性が低いといえますが、自筆証書遺言とは違い費用がかかります。

 

公正証書遺言作成にかかる費用

公正証書遺言を作成する費用には次のものがあります。

 

①公正証書作成手数料

遺言書に記載されている財産の総額や受贈者の人数、遺言書の枚数によって手数料は変わります。

※相続する人ごと複数の場合に、それぞれに手数料がかかります。

全体の財産が1億円以下のときは、上記に11000円を加算した額が公証人の手数料になります。

《例1》2000万円の財産を妻1人に相続させる遺言
証書作成23000円+11000円=34000円

《例2》2000万円の財産を妻と長男にそれぞれ1000万円ずつ相続させる遺言
証書作成17000円+17000円+11000円=45000円

《例3》1億円の財産を妻に6000万円と長男に4000万円相続させる遺言
証書作成43000円+29000円+11000円=83000円

 

②証人2人の日当

1人につき5000円~15000円程度(公証役場で証人をお願いする場合)
ご自身の知人に証人を依頼した場合は必要ありませんが、証人を依頼した2人の知人には遺言書の内容を知られてしまいます。
遺言書の内容をご自身周辺の他人に知られたくない!という方は専門家に依頼することをオススメします。

 

③必要書類の交付手数料

  • 印鑑証明書:1通300円(本人確認資料として用いる場合のみ必要)
  • 戸籍謄本:1通450円
  • 住民票:1通300円(相続人以外に遺贈する場合のみ必要)
  • 資格証明書:1通600円(法人に遺贈する場合のみ必要)
  • 不動産登記事項証明書:1通600円
  • 固定資産評価証明書:1通350~400円(課税明細書があれば不要)

 

④公証役場以外で作成する場合の公証人の出張費用

  • 公正証書作成手数料:①の手数料の1.5倍の金額
  • 公証人の日当:1日20000円 / 4時間以内10000円
  • 公証人の交通費

 

⑤専門家に作成の依頼をする場合


上記とは別に専門家への作成費用が生じます。
公正証書遺言の作成では公証人に対して費用を支払い、効力のある遺言書を作成しますが、より丁寧に遺産相続や遺言書について相談をしたい場合は、行政書士や司法書士などの専門家に依頼することをオススメします。

 

専門家に遺言書作成を依頼するときの相場

専門家に依頼した場合の費用は、それぞれの専門家によって異なりますが、司法書士、行政書士の費用の相場は5~10万円程で、財産の総額によっても変わります。

弁護士の場合は、基本的に着手金と成功報酬に分けて費用請求をすることが多いです。
着手金の相場は10万円~30万円程度、成功報酬については遺産の金額や相続内容における作業量などに応じて数十万円~100万円単位になることがあります。

 

書遺言の作成をお考えの皆さまへ

公正証書遺言は内容不備で無効になることや、紛失、破棄、改ざんなどのリスクがありません。
また、相続発生後に裁判所で検認手続きをする必要もありません。
しかし、費用がかかります。

笹木行政書士事務所では、可能な限りお客様のお話をお伺いし、遺言書を作成したいと考えております。
まずは、お気軽にご相談ください。

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